《快適ゾーンの壁》

 ラスベガスのカジノで勝ったといった話を聞く。『いくら勝ったの?』と聞くと、『50万円だと言う』勝ち過ぎて怖くなりそこで止めたそうである。私は、もっとやればいいのにと思った。
 ギャンブルの勝ち方の話をしているのではなくて、壁は自分で作ってしまうという話です。いわゆる“快適ゾーンの壁”なのですが、メンタルブロックの一つで“思い込みの壁”とも呼ばれています。
 株の取引でも似たようなことが起きます。10万円単位でやっている間は勝つ。冷静だし、セオリーから外れたことはしない。投入金額が100万円を超えると必ず負けてしまうのだとある人が言う。本人曰く、『必ず何か起るんだ。急に相場が崩れたり、政策が突然変更になったり』と・・・
 私には、掛け金の大きさに委縮して冷静な判断が出来なくなっているだけのように見える。
 『何か壁を感じる』『壁が越えるられない』と言う表現を時々耳にしますが、もし本当にそうなら、その壁を見てみたいものです。
 壁は自分自身の中で決めてしまうもので、その壁も自分の頭の中でイメージされたものです。
 ギャンブルでいくら勝つと怖くなるか?・・・1万? 10万? 100万? 1000万? それがあなたの“快適ゾーンの壁”なのです。
 実はお金も、財布や銀行口座の中ではなく、あなたの頭の中にあります。

《目標管理とプロセス管理》

 目標管理制度を導入・運用している企業も多いことと思いますが、今日は目標管理での“結果指標”と“プロセス指標”について考えてみたいと思います。

【事 例】 半期の個人売上目標 6000万円 (結果指標)
      その為に毎月2件の新規顧客の獲得が必要である

 このような、ケーススタディーの場合、6000万円という最終目標は明確です。次は、プロセスについて考えていくことになりますが、事例の場合には既存客の解約率が増加傾向にある為に、新規顧客の獲得が月に2件必要であることが現状分析により把握されています。最終結果の方から見ていくと、新規獲得⇒見積もり提出⇒商品提案⇒新規飛込み営業と仮定されます。(プロセス活動を少し分解してみました)
 次に、現状分析により《見積もり・新規獲得率50%》《提案・見積もり成功率30%》《飛込み・提案成功率20%》のデータが有るとすれば、月2件の新規獲得のために入口部分である新規飛込み営業は何件必要なのかを把握します。電卓をたたいて頂くとわかりますが、月に約67件の飛込み営業が必要になります。これがプロセス指標ということになりますが、このプロセスを具体的な行動にブレイクダウンして管理していくことなります。
 大切な事は、作りっぱなしにしないで“ショートタイムチェック”のマネジメントによりプロセスの質を高めていくことです。
 もう一つは、お気づきだとは思いますが、プロセスごとの成功確率を高めるといった視点もあると思います。

《努力の方向》

 今週も出張の多かった一週間でしたが、今日事務所に出社すると毎月楽しみにしているダスキンさんの“喜びのタネまき新聞”が机の上に有りました。今月の社長の記事が《努力の方向》でした。納得感の高い内容でしたのでご紹介致します。

 ロンドンオリンピックでの日本人選手の活躍は素晴らしかった。選手はみんな大きな期待を寄せられての参加で、かなりのプレッシャーの中での競技であったにちがいない。オリンピックまでの4年間をどのように過ごしたかの成果が出る集大成の日。楽しいことは少なく苦しい練習に耐えてその場を迎えていた選手を見ていると、『必死に頑張って、ここまで来たのだな』と、心からの拍手を送った。出場できるほどの選手はだれも、練習時間と努力にそれほど差は無かっただろう。しかし、勝者と敗者がハッキリと現れるのがスポーツであり、結果として勝者と敗者に分かれる。
 この違いは何だろうと考えていて、高校時代の恩師である監督のことばを思い出した。
 『努力することは大切だ。けれども創意工夫し、成果のでる方向で努力しないと結果は出ない。歩いて大阪から北海道を目指した時、北に歩いた人と南に歩いた人の費やす時間と努力は同じでも、北に向かって歩いた人にしか成果は出ない』
 一生懸命努力したのに自分の思ったような成果が出ないときは、努力が足りないのではなく、努力の方向(仕方)を変えることが大切だ。
   
 株式会社 ダスキン社長 山村輝治

《自尊心と競争》

 今週は、社内研修で三日間出張していました。研修の中に“自尊心”について考えて頂く部分があるのですが、ワークシートに“競争は悪いことでしょうか?”というテーマに答えて頂くものがあります。

 何故に“競争は悪いことでしょうか?”のワークシートを用意して受講生に答えて貰おうと考えたのか!という理由は、以前娘が小学生の時に運動会に応援に行って見学していた時に、なんだか私にとっては【不思議な風景が目に入ってきたのです】
 どのような景色なのか?と言いますと、よーいドンに始まってゴールを目指して走るのは私が経験した運動会と同じなのですが、ゴールした後で一着・二着と序列をつけないことなんです。ちょっと驚いたのですが、これが『今の小学校の教育方針なのか』と思ったのですが、何だか“モヤモヤ”したものが残ったので、以来皆さんにお聞きしてみようと考えた訳です。
 
 記入して頂いた内容を発表してもらうのですが、色々な考え方があることにまず驚かされます。大半は、序列をつけて上位の生徒をしっかり評価してあげるべき、という意見です。私もその考えに賛成です。“切磋琢磨”という言葉もあるように、競争から生まれる素晴らしいものがあるように思います。また、負けて悔しさを味わうことも大切なのではないでしようか!

 運動会だけでなくて、今教育の現場は変化しているのでしょうね!

《解決方法は、問題の中にある》

 中谷彰宏さんの“スピード問題解決”という本の中に《解決方法は、問題の中にある》という文章がありましたので、少し御紹介します。

 問題解決を考える時に、頭の中で、ともすれば問題対解決策という構図が出来上がってしまいます。
 問題という敵に対して解決という味方をぶつけていかなければならないという発想です。
 そして問題と解決をぶつけ合うことになります。
 こうなると消耗戦になって、いつまでも解決できません。
 消耗戦にならないためには、できるだけ敵を味方にしていく発想が必要です。
 問題を味方にするにはどうするか。
 こつは、問題を味方だと考えて、問題と解決の境目をなくすることです。
 問題の中に解決が必ず潜んでいると考えます。
 問題が悪で解決が善という先入観ではいけません。
 それだけで問題が敵に回ってしまいます。
 問題と解決には境目はありません。
 問題を毛嫌いするのではなく、問題を愛してあげなければいけません。
 解決したらもう問題が起こらないのではありません。
 必ずその次の問題が起こってきます。
 ここまでは問題で、ここから先は解決という境目をつくらないことです。
 問題が発生した時は、飛躍的に進歩を遂げるチャンスだと考えましょう。

《アイアクセシング・キュー》

 二、三日前にテレビを見ていたら“主人がウソを言ってるのか?”といった、番組を放送していました。ゲストの方が、『NLPという言語心理学で、眼球の動きでウソを見抜くと言うスキルがありますよ!』と話しているのが印象に残りました。

 少し調べてみたら、次のようなことが書いてありましたので紹介します。

 目は、『飛び出た脳』ともいわれるように、脳と直結したパーツです。じつはこの脳の働きを明確に反映して動いているのが視線なのです。逆に言うと、眼球を意図的に動かすことで、意識を変化させることができるのです。
 こちらから相手を見ている場合、眼球の動きでその人の意識がどのように動いているかがわかります。一般的に次のようになります。
 視線が上がるのは、過去であれ、未来であれ、イメージや絵を見て視覚を使っている時です。あなたから見て、右側は“過去”左側は“未来”をイメージしています。
 左右・水平に視線が動くのは、過去に聞いた言葉や音、または想像上の声や音を聞いて聴覚を使っている時です。
 視線が下に向くのは、自分の内的な会話を聞いているか、体感覚を探っている時です。

 テレビの話題に戻りますが、御主人がある質問に対する答えを言う時に、しきりに左上(あなたから見て)に眼球が動くのでした。NLPの理論からすると『過去の事実にアクセツしているのではなく、想像し構成したイメージということになりますね』従って【ウソを言っている】可能性が高いという結論になります。

 興味深いです。

《セミナーを終えて》

 昨日は、仙台市で“医療・福祉法人”対象の人事経営セミナーを実施しておりました。講師に、宮城県柴田町にある常盤福祉会の理事長をお迎えして、1時間半にわたって御講義を頂戴しました。理事長は、現在宮城県老祉協の会長を務められており御多忙の中での講師でした。
 弊社は、常盤福祉会様とは平成19年度に給与体系の整備と人事考課制度の導入のお手伝いをさせて頂きました。現在も定期的にメンテナンスと職員研修を実施しております。

 セミナーは、人事考課制度導入に至る経緯にはじまり、御苦労した点、導入後の成果、メンテナンスの必要性等持ち時間を少し超える充実した内容でした。質疑応答にもお答え頂き実りあるセミナーになったと感じています。

 参加して頂いた方々のお話も聞くことが出来ましたが、人事考課制度の運用が上手くいっていないことを強く感じました。中には、職員の“忙しい” “やりたくない”の声に負けて、運用を中止している法人もありました。
 活力ある組織・永続する組織を目的に人事考課制度という一つのツールを使用して、その実現に向かうものであると私は考えていますが、何か他のツールによって活力ある組織・永続する組織が実現できるならば人事考課制度にこだわる必要はないと思います。しかし、単に職員・役職職員のわがままによって実施できないとすれば困ったものだと思います。頑張った人が報われることがモチベーションにも影響があるとすれば、人事考課制度により序列をつけることも必要なのではないでしょうか?
 私としては、色々と課題の見つかったセミナーになりました。

《それは妄想と錯覚》

 私たちは、相手を偏りのない目で見ているようで、実際には自分の思い込みで見ていることが多いです。

 そこで、今日は注意すべき人事考課エラーについて書きます。
【ハロー効果】 
※内 容  特に優れた点、劣った点または全体の印象に惑わされて、被考課者の個々の特性も同様に優れ、あるいは劣っていると考えること。
※対 策  ①一つ一つの特性を分離して考課すること。②イメージや印象によって考課することなく、被考課者の具体的行動を事実をとりあげること。③被考課者一人一人について、考課要素全体をつづけて考課するのではなく、考課要素一つ一つについて被考課者を変えて考課すること。

【寛大化傾向】
※内 容  考課が一般に甘くなる傾向をいう。
※対 策  ①部下に対して厳しく批判することをためらわないこと。②他の考課者の考課結果とのバランスを考慮しないこと。③成績を見分けることについての自己の考課能力を身につけ自信をもつこと。④考課の基準が低すぎないかを反省すること。

【厳格化傾向】
※内 容  考課が一般に辛くなる傾向をいう。
※対 策  寛大化傾向と表裏をなす。

【中心化傾向】
※内 容  考課が中央に集まってしまう傾向をいう。
※対 策  ①良い悪いと断定できる程度に、十分に被考課者についての具体的事実を知ること。②その他、寛大化傾向①~③に準ずる。

【論理的誤差】
※内 容  考課要素間に(例えば、積極性と責任感)一般的に密接な関係があると考える為、事実の要素へのあてはめを誤ることをいう。
※対 策  ①考課要素ごとに何を考課するのかの区別をはっきりと認識しておこなうこと。②制度上の取り決めをよく理解すること。

【対比誤差】
※内 容  自己の専門的事項について、基準が高く、非専門的事項については低くなる傾向をいう。(寛大化・厳格化傾向と深い関係がある)
※対 策  ①客観的事実をもとに、その事実の各特性を切離して考課すること。②自己を基準におかないこと。

【逆算化傾向】
※内 容  結果としての処遇、既存の社内序列を念頭に置き、総合結果から逆算して考課を行うことをいう。
※対 策  ①考課という部下の行動評定機能とその処遇とは、明確に区別して行うこと。②考課要素別の分析考課を経て、最終の総合考課を行う手順をふむこと。

《叱る、ためらう上司・親》

 読売新聞の記事から

 部下を叱らない上司、子供を叱らない親・・・・・。
 職場や家庭で“叱る”という行為が敬遠されるようになってきている。しかし、叱ることが必要な時もあるはずだ。失敗を成長につなげるような叱り方を心がけたい。
 『部下の話は、きちんと傾聴するよう厳しく言われています。かつてのように、部下をどなりつけることなんてもうありませんね』通信会社の課長は自嘲気味にそう話す。部下がミスをしたら叱るのではなく、まずは言い分を聞く。『無責任な言い訳ばかりで腹がたつこともありますが、ジッと我慢ですね。パワハラで訴えられたら大変ですから』と語る。
 日本能率協会の部下に対する接し方調査によると『どちらかといえばよく部下を叱責する』と答えた人は、5%に過ぎなかった。『叱らなくなった理由の一つがパワハラを巡るトラブルの増加』と指摘する。
 職場だけではない。子育て中の親子のマナーで気になることのアンケート調査では、最も多かったのが『子供を叱らない親』だった。明治大学教授の諸富祥彦さんは、『職場や家庭でも、褒めることがとにかく推奨され、叱り飛ばすことは厳禁、というような風潮が広がっている』と指摘する。また、『改善すべきことが有る場合には、褒めるだけの指導ではなく、きちんと叱ることも必要』と語る。
 教育評論家の親野智可等さんは、『子を思う気持ちを言葉に乗せることが大切。愛着があるからこそ、叱っている。その気持ちが相手に伝わるといい』と話す。 

《給与体系と人事考課制度》

 給与体系の設計と同時に人事考課制度を導入するケースが多いのですが、給与体系だけを整備し人事考課制度を導入しないというような場合には、組織にとってはどのようなメリット又はデメリットがあるのでしょうか?といったような質問を受けることがあります。一般的には、私が扱うケースでは給与体系をリニューアルすると同時に人事考課制度をメンテナンスしたり新たに導入するといったケースがほぼ100%になります。

 仮に人事考課制度を導入しない場合には、メリットとして考えられることは、人事考課に使う時間が節約できるということがあるかと思います。実際時々『一度人事考課制度を導入したが、現場社員から仕事が忙しくて出来ないという声が多くて止めました』と言ったことをお聞きすることがあります。このようなことも現実なのだと思います。

 一方デメリットとして考えられることは、人創り・組織創りという視点でみた場合には、能力・役割・目標といったようなことについて上司と部下が真剣に向き合って確認する場面が少なくなるということです。活力ある組織を創っていくためにはマイナスだと思います。もう一つは、頑張った人、成果を出した人が評価され、昇給・昇進・教育といった場面に適用されない、といったことがおきてきます。結果モチベーションがダウンし停滞気味の組織になってしまうといったことでしょうか!

 ミドル階層の方々には、人事考課制度の運用は労力を使うことになると思いますが、【永続する組織創り】には必要な事だと思います。未来の為に頑張ってほしいと思います。