最近映画で話題になっていますね。
読売新聞に次のような記事が掲載されていました。
“障害者だって 自己中”
映画では、大泉洋さん演じる車いすの難病青年のワガママに耐えかねて、高畑充希さん演じる介助ボランティアがこう言い放つ。
『障害者ってそんなに偉いの?障害者だったら何言ってもいいわけ?』
それ言っちゃっていいのとドキドキしたら、映画館のあとで本屋に行こう。読めば社会の見え方が一変する傑作ノンフィクションだ。
タイトルの由来は、筋ジストロフィー患者の鹿野靖明さんが、深夜にボランティアをたたき起こして『バナナ食う』と言った逸話からだ。他人の助けなしでは生活できないのに、遠慮を知らない鹿野さんは、介助者とのケンカも日常茶飯事。だが、障害者が“自己中”ではいけないのか。『俺の人生はオレが主』と言ってはダメなのか。鹿野さんの命がけのワガママは、障害者=弱者という世間的常識を覆し、『自分探し』にさまよう若者の方を変革していくのだ。
鹿野さんは2002年に42歳で没した。今こそ読み直されるべきだと思うのは、16年に神奈川県相模原市の知的障害者福祉施設で起こった痛ましい殺傷事件が、本書のテーマに直結しているからだ。なぜ冒頭のセリフにドキドキしてしまったのか。そう考えることが社会を変える一歩になる。