《ほっこりする話》

読売新聞の投稿から

宿題を教えられる幸せ・・・・・埼玉県 三田寺しず江

小学2年になる孫の学校がインフルエンザで学級閉鎖となった。両親は仕事を休めず、孫が3日間、我が家にやってきた。

孫本人はいたって元気で、宿題が山ほどあるのに、スマートフォンのゲームに夢中になっている。だが、冬の光が差し込む部屋で私が本を読んでいたら、孫が脇にやってきて宿題を始めた。

国語の宿題で分からない漢字があったようで『教えて』とノートを出してくる。私は『もっと丁寧に書くの!』と書き直させる。そんなやりとりが何回かあったが、孫はまんざらでもない様子で、教えてもらうのが嬉しいようだ。

『バーパは何でも知ってるね』と、お世辞まで言ってくれる。

そういえば、孫の母親である娘が小学生のころ、私は保育士の仕事が忙しかった。家に帰っても時間がなくて、娘の宿題をしっかり見てあげられなかった。

今、こうして孫と肩を並べ、ゆったりとした時間の中で、成長を感じられる幸せをしみじみと味わった。