《コーチングのステップ》第一回

 コーチングは散発的に行ってもそれなりの効果はあると思いますが、コーチングを行うための基本的なステップに沿って行うことで、より高い効果を得ることができます。

 コーチングの基本的なステップを単純化すると次のようになります。
① コーチングの目的を明確にする。
② 現状を認識する。
③ 考えるべき焦点を絞る。
④ アイディアの具体化と絞り込み。
⑤ 採択案の行動化。
 以上のステップについて、何回かに分けて書いていきたいと思います。

 ≪ステップ1 目的の明確化≫
 『コーチングで何を得たいのか』『何のためにコーチングをしているのか』という目的を明確にするのが、コーチングの最初のステップです。コーチは、必ずこれをしっかり押さえておく必要があります。このステップを外してしまうと、せっかくコーチングをしようとしても、単なる雑談に終わってしまったり、コーチングの効果が長続きしなかったりということになってしまいます。
 目的を明確化するには、相手にそれを直接的に訊くことが相手も目的を認識することができるので望ましいです。しかし『コーチング』ということを表面に出さないでコミュニケーションを取っている場合には、これができないこともあり、その時はコーチが相手のニーズを考慮して目的を提案することもあります。
 コーチングにおいてポイントとなるのは、『真の目的』を明確にするということです。つまり、組織や上下関係等を考慮した『体裁的な目的』ではなく、『本当に実現したいものは何か』ということをお互いがしっかりと見極めることだと考えます。
 もちろん、目的を具体的に設定するほうが効果が高いことは言うまでもありませんね。

 私の場合の『コーチングの目的』は、相手方の《目標達成》、組織の場合は、《人材育成》がメインとなっています。