《頑張っては命令》

精神科には、「健康的に、前向きに考える」という思考回路を失ってしまった人たちが多く来ます。よく、うつ病の人に「頑張って」と言ってはいけないと言われますが、なぜいけないのでしょうか。それは一見「応援」のようで、実は「命令」だからです

その証拠に、「頑張って」を「頑張れ」と命令形にしてみてください。意味がまったく変わらないことに気づくでしょう。特に親や上司などの上の立場の者から、子供や部下などの下の立場の者に対して言われた「頑張って」は、たとえ言った者には「命令」のつもりがなくても、言われた相手には命令として響いている場合が多いのです。

「頑張れと言われるのですが、もうすでに頑張っているのです」

ドクター曰く、これは企業の顧問医をしていて、メンタル不調に陥ってしまった患者さんが訴えるセリフ、第一位です。

このことからも、「頑張って」が、命令として相手に響いていることがわかっていただけるのではないでしょうか。