《人事は評価にはじまり、評価に終わる》Ⅶ

 人事評価についての書き込みも最終回になりました。第七回目です。

【昇格・昇進、教育訓練への活用】
 これまでも述べてきたように、成績評価は賞与や昇給だけでなく、昇格・昇進・配置・教育へも活用していただき、人材育成の基本システムとして活用することが、是非必要といえる。

①昇格・昇進への活用
 上位等級に上げる時の昇格条件として、これまでの下位等級で連続してAの成績をとることが要件とされるが、この場合でも、上位等級に上げたならば成績が平均より下がることが懸念される場合は、上位等級に上げることをしばらく見合わせたほうがよい。この場合、上位等級の等級適正なしと判断する。(現実的には、若い社員の昇格判断にもこの等級適正の判断を活用したほうが良いケースが多い)

②教育訓練への活用
 成績評価の結果を本人にフィードバックしている進んだ企業もあるが、まだまだ少数にすぎない。特に、C・Dクラスの社員へのフィードバックがなされていないのが実情である。
 C・Dクラスの者が、教育訓練ニーズが最も高いグループであり、連続してC・Dをとることがないよう、是非個別指導が必要である。C・Dクラスは放置せずレベルアップをはかることが、企業発展の為にも重要といえる。

③ОJTへの積極活用
 中堅・中小企業の場合、売上目標などの業績評価を毎月行うことも、有効なОJTの一環であり、業績志向の強い企業とか成長力のある企業には望ましい使い方だといえる。目標達成度評価シートには、社員の日々の『意欲と努力の結晶』である実績がストレートに評価できる仕組みがベターであり、教育効果も高まってくる。