《人事の目》

 『非効率でも大切なこと』を

 “スターバックスコーヒージャパン”は、米シアトルを発祥とするコーヒーショップチェーンの日本法人です。今年5月、鳥取県内に初の店舗を開設し、国内の全都道府県に出店を果たしました。

 チェーンですが、店にはサービスに関する【マニュアルがありません】。当社は『人と人とのつながりを大切に』『自分の居場所のように感じてもらう』などを使命(ミッション)とし、これに従って、各店の従業員が話し合って何をすればよいか考え行動します。

 新入社員は入社後、全国各地の店舗に、店長の補佐役として配属されます。3年程度で店長になり、その後1~2年の経験を積むと、商品開発や販売戦略などを行う本社勤務の社内公募に応募できる資格を得ます。

 採用選考で力を入れるのが、特定のテーマについて集団で討論してもらうグループディスカッションです。人の声に耳を傾け、新たな発見や気づきが得られる人は、成長の伸びしろがあるとして評価します。

 鳥取に進出した時、メディアには大きく取り上げられました。でも、社内では進出を喜ぶより、店舗の前で長時間待っていただいたお客様のために、試飲のアイスコーヒーを配ったり、日よけを作ったりして、大変な思いを少しでも和らげる配慮ができたことに満足しました。

 従業員は、非効率でも大切だと思えることに時間を割こうという考え方を持っています。そんな価値観を共有できる人達と一緒に働きたいと思っています。

 人材開発部長 久保田美紀さんの談

 データ 
 ≪新卒採用 2015年  男15人  女26人≫
 ≪3年以内離職率 3.8%≫
 ≪平均勤続年数 男7年7ケ月  女5年1ケ月≫