『ちまちました節約よりも、どかーんと節約したほうが簡単だ』
ビジネスの世界では、3%や5%のコスト削減は難しいが、30%のコスト削減は意外に簡単だと言われてます。
3%のコスト削減というのは、現状の枠組みの中からムダなコストを見つけて改善していく、非常に細かい作業です。単にコスト削減というと、ケチケチ運動みたいになり社内の雰囲気も悪くなるので、上手に実行しないと、逆効果になったりします。
ある上場企業でトイレに備えつけている手を拭く紙を廃止するかどうか議論していたところ、業を煮やした部長が『そんなことを気にするような利益しか出ていない商売なぞ止めてしまえ!』と怒鳴ったことがあるそうです。
一方、30%のコスト削減であれば、仕事のやり方を抜本的に変える必要があります。これは、現状の枠組みを壊さないと達成できないですし、逆に言えば、現状の枠組みを壊して新しい枠組みをつくれば、30%のコストダウンはそれほど難しくない、ということになります。
先日、『ガイアの夜明け』というテレビ番組で三菱自動車と日産自動車の軽自動車共同開発を放送していましたが、部品輸送のコストダウンを検討する場面がありました。三菱流のやり方だと、部品を1ケースに4台入れて運ぶことが出来るのですが日産の技術者たちは同じキャパシティーの容器に6台入れることを発見しました。まさに30%超のコストダウンになります。実に単純な方法でしたが、従来の枠組みに固執していると発見できないと感じました。
ケチケチ作戦を否定するものではありませんが、大きなところを基本的に見直す必要性を感じています。