職場の教養より
A社長が、新しい取引先に電話をした時のことです。
電話に出た社員に、会社の住所と電話番号、社長のフルネームを確認したところ、すぐに答えが返ってきませんでした。怪訝に思ったものの、“きっと入社間もない社員だろう”と考えて、電話を切りました。
ふと『うちの社員はどうだろうか』と気になったA社長は、思い切って会社の基本情報についての社内テストを実施しました。
すると、会社の電話番号を知らなかったり、社長のフルネームを書けない社員が、少なからずいたのです。
著名講師を招くなど、時間とお金をかけて社員教育に力を入れてきたA社長ですが、最も基本的な情報を社員が知らなかったことに俄然としました。
これを機に、A社長は、まずは社員に自分の会社のことをよく知ってもらうという方針を立てました。そして、自らも日常の基本的な事柄を疎かにしないよう、足元の実践に取り組むようになりました。
私の経験でも、立派な経営理念はあるのですが、社員が知らなかったり・理解していなかったりという例は時々あります。【知ってるつもり】といった思い込みが、組織の中には必ず存在するのだと思います。時々、基本・原点に立ち返ることの大切さを教えてくれています。